コッテコテの青春ムービー。

大人だってみたくなることがあります。

kazu

今回は笑って泣ける青春映画「チア☆ダン:女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」をご紹介します。

※3分ほどで読み終わる記事です。この記事は思いっきりネタバレしているので注意してください。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録あり。劇場が大好きで、ひとり映画も大好きです。最近は便利すぎてAmazon Primeで映像みまくっています。

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青春時代を切り取ったキラキラムービー

映画の題名は「チア☆ダン:女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」。

福井県の女子高生がチアダンスで全米制覇を成し遂げた実話をもとにした映画です。

華やかな若手女優が集まり、若い時期にしか撮れない映画です。青春ムービー定番のコテコテの描写も多く、みていて安心感があります。

この映画は広瀬すずさんがいないと成立しない映画だと思います。広瀬すずさん演じるひかりが持つ大きな武器が「華やかな笑顔」。この笑顔が、映画をレベルアップさせています。

話の展開として主演の広瀬すずさんを追い詰めていくのですが、落とし方がなかなか残酷です。もちろん、その後の這い上がりがありますが、そこに監督の思いを感じました。

チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~評価

Yahoo!映画

僕が最初にみたのは土屋太鳳さん主演のドラマ版「チア☆ダン」(2018年)でした。ダンスの技術がある土屋さんと、E-girlsでのパフォーマンスで鍛えられた石井杏奈さんの存在感が光っていました。そして、オダギリジョーさんの先生役もハマっていて、こちらもコッテコテの青春ドラマでした。

映画を観たあとは、ドラマ版「チアダン」もオススメです。

「チア☆ダン」のあらすじ

明るく元気な青春ムービーで、暗くなっちゃうようなシーンでもつねにコメディ感があって、とても明るく前向きな映画です。展開として不思議だなー、と思う部分もあるのですが、これが実際の話で、モデルとなる人物がいるので、物語が破綻しません。

スタッフ・キャスト

監督:河合勇人(代表作:「俺物語!!」)

広瀬すず:友永ひかり
中条あやみ:玉置彩乃
山崎紘菜:紀藤唯
富田望生:東多恵子
福原遥:永井あゆみ

天海祐希:早乙女薫子

高校に入ったばかりの友永ひかり(広瀬すず)は、かわいい部活を探していた。中学時代から好きなの男の子を応援したいと思い、チアダンス部を選ぶ。しかし、チアダンス部はかなり本気の部活だった。

前年、地獄先生と呼ばれる早乙女先生が、バトン同好会をチアダンス部に改革。そして、新入生が入ったと同時にアメリカ進出を目標にかかげる。いきなりの方針転換に上級生が全員いなくなってしまい、1年生だけでチアダンス部がスタートする。

なんとなくはじめていたメンバーが多い中、部活がどんどん進んでいく。初心者の部員たちはただただキツく単調な基礎練習をこなしていく。なんとなく始めたひかりは、辞めたいモード発動。だが、部長の玉置彩乃(中条あやみ)に1回踊ってから考えてみて、と言われもう少しがんばることに。

全員で1曲を踊り終えると、チアダンスの魅力にハマってしまうのだった。

その後、はじめての公式大会に1年生だけで挑戦することになる。しかし、結果は大失敗。部員たちの気持ちもバラバラになってしまう。周りにバカにされながらも悔しい思いをした部員たちは、自分たちの力でもう一度部活に取り組むことを決意する。

着々と実力をつけ、福井でも存在感を増していく。順調に成長していたのだが、3年生になったひかりが大会直前にケガをしてしまう。ひかりはケガから回復したものの、実力が足りず、全国大会には出場がかなわない。ひかりは出場できなかったが全国大会で優勝し、アメリカ行きの切符をつかむ。

でも腐ることなく必死に練習し、アメリカ大会ではレギュラーを獲得。それだけでなく、踊りの上手い部長の彩乃を押しのけセンターで踊ることに。実はひかりには大きな武器が…。それは「華やかな笑顔」。この笑顔とみんなのチームワークで全米大会で優勝という快挙を成し遂げる。

4人の変化

この映画では、ひかり、彩乃、唯、早乙女先生、4人の心理描写を丁寧に描いています。

絶対的ヒロインの広瀬すずさん、スタイル抜群の中条あやみさん、笑顔がつくれない山崎紘菜さん、スパルタ教師役の天海祐希さん。

広瀬すずさん

圧倒的存在感とセンスで「チア☆ダン」を引っぱっています。早乙女先生もひかりの笑顔を見た時に、輝くものを感じます。この描写がすごく説得力があるのは、広瀬すずさんの笑顔のパワーによるものです。

正直、踊りの技術は高いとはいえないと思います。ですが、ポーズも決まっているし、踊りはとってもうまいです。

純粋とはいえない気持ちでチアダンスを始めたひかり。練習がつまらないと思いつつ、部活に居心地の良さを感じているのがわかります。明るいひかりの周りにはいつも人が集まっています。

ひかりたちは初めての地方大会で大失敗をしてしまいます。この失敗の受け止め方が、ひかりの人間的な大きさを感じられる一番の場面かもしれません。この場面をセリフとともにご紹介。

カラオケ店にて

(ひかり)「もうダメやわ。チアダンス部。」
(友A)「でもな。よかっただ。これ以上笑われんくて。」
(ひかり)「なにが?」
(友A)「アメリカ目指すってだけで笑われてたのに。福井大会でも勝てんのやで。4校しか出てないのに。」

(ひかり)「わらわれてた…?」
(友A)「知らんかった?みーんなに笑われまくってたの。」
(ひかり)「なんで?」
(友A)「あっ。つー…。マジか…。」

(友B)「なーんか。いつ見ても早乙女先生に怒鳴られてるだけやし。イケてないよのー。チアダンス部って。」
(友A)「イケてない。イケてない。ぜっんぜんイケてない。の?」
(友B)「の」

(ひかり)「イケてるとか…。イケてないとか…。関係ないがそんなの!!」
(友AB)「関係ないのかよ…!」

(ひかり)「笑われたって…。私らはそれでも…。…。…。リンダリンダー」

(友AB)「歌うんかい!!」

周りの友達にバカにされても、ひかりはめげません。友達がなかなか辛辣しんらつな言葉をかけるので、ひかりは反論するのかと思いきや、しっかり受け止め、友達に文句を言うわけでもなくカラオケでストレス発散します。

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この受け止め方が僕はすごく好きでした。

人からどう見られるか関係なく、芯からの強さがある。だからこそ人が集まるんだろうな、と思いました。

そんなひかりも彩乃から、「前に出る気持ちが足りない」と痛いところを突かれます。そんなときも、しっかりその言葉を受け止め自分なりの答えを出します。「たとえ端っこにいたとしても、センターにいる気持ちで踊る」。この強さがひかりの魅力です。

全国大会に出場できない時の悔しさの場面。見ていてかなりツライものがありました。

そんなひかりが最後に魅せる笑顔は元気づけられます。この映画をひっぱり広瀬すずさんにブラボーです。

中条あやみさん

立ってるだけで美しい…。ストレッチのシーンでは足が160°くらまで上がっているし、身体能力も高く、スタイルも抜群、顔も美しいです。でも、それがダンスに生かされていないのがちょっと残念でした。

「踊りの技術がスゴイ!」という役だったので、踊りの実力を期待してしまいました。中条あやみさんは一見、踊れるように見えます。でも中条あやみさんの身体はモデルの体型であって、ダンサーの体型ではないんだと思います。なので、体幹が弱く、踊りがフニャフニャしてました。

なので、踊りのシーンはもっと吹き替えても良かったんじゃないかな、と思います。

ただ彩乃のセリフにはハッとさせられることが多かったです。

「どんなに努力してもダメなことがある。でも努力し続けるしかない。」

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好きなことであればあるほど、自分の実力がどのくらいか思い知らされてしまうことがあります。それを高校生に言われてハッとするのでした…。

そしてすごく残酷なセリフも吐き出します。

「あなたたちの代わりなんていくらでもいる。」

この言葉は、個人的に本当に嫌いな言葉です。これほどやる気をそがれる言葉はないので、このセリフを聞いたときはとてつもなく悲しくなりました…。そして、このセリフを言えちゃう彩乃はちょっと好きになれません。

山崎紘菜さん

TOHOシネマズで上演前に案内役をしている人だー、というのが最初の印象でした。

山崎紘菜さん自体は明るいイメージがありましたが、唯という役は根暗少女です。自分の感情を表に出すことができず、苦しんでいます。ですが、3年間の部活を通し、一番変化するキャラクターです。

踊りはヒップホップがうまいという設定です。上半身の動きが硬いのが残念でした。

唯とチームのメンバーが打ち解けはじめると、チームとして機能しはじめます。それだけ重要なキャラクターだと思います。

ひかりが出場できなかった全国大会。決勝の前に唯が「ひかりのために踊る」と言います。まさか唯からこんなセリフがでてくるなんて…。3年間の成長です。見ていてホッコリしてしまいました。

天海祐希

ぼくは小学生のころ、宝塚をよく見に行っていてその時天海祐希さんが大活躍していました。家族が天海祐希さんのファンで、家では天海祐希さんのことはゆりちゃんと呼んでいました。

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今でもゆりちゃんとついつい呼んでします笑

「チア☆ダン」を最初観た時、すごくモヤッとしました。「なんでだろう…」と考えると、この作品が「2009年を舞台にしているからだ」と思い至りました。

最近はスパルタ指導もあまり聞かなくなりました。今はどういう指導をしているのかわからないですが、できるだけ優しい教え方をしているのかな、と予想しています。そんな優しい指導が主流になっているので、早乙女先生の指導を最初見たときモヤッとしました。

でもやっぱり勝負事には厳しさが必要だと僕は思っています。なので、2回目、3回目とみるとかなり共感できるようになりました。

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僕は小学生のころはミニバスをやっていて、中学生では剣道をやっていました。部活はすごく厳しくて、マジでバンバン殴られていました。今では許されないスパルタ教育です。

早乙女先生は、もちろん手を出すことはありませんが、なかなか厳しい言葉をかけます。

でも結果的に世界一をとっているので、評価されています。ただ、もし世界一を取っていなかったら否定されてしまう方法のようにも思います。

そんなこともあってか、早乙女先生の隠れた気持ちが描写されます。個人的には、この説明的なシーンは余計じゃないかな、と思いました。でも、「チア☆ダン」は一応ノンフィクションなので、実際の先生に配慮したのかな、とも思っています。

ただ、この説明描写がなければもっと感動できたように思います。

ぶれない指導

早乙女先生は一度決めた方針を3年間突き通す強さを持っています。心の中では不安もあるし、いろいろな指導法を勉強しています。でも、核となる部分は変わりません。

それは「勝ちにこだわる」こと。仲良しチームであることよりも、チームメイト同士がライバルとして切磋琢磨するようなチームづくりを目指します。

ひかりがケガをした時、良かれと思ってほかの部員にアドバイスをします。このひかりの姿勢をピシャリと正します。仲良しチームに戻したくない、という気持ちがすごくわかります。軍隊的になっていく部活。

最後のアメリカ大会では、彩乃をセンターから外し、ひかりを主役にします。一見するとチームワークが崩れてしまうような決断をする先生。でも、ずーっとぶれない指導をしているので、部員たちは勝つための決断と非情であっても理解しているのがわかります。しかし、ひかりとは根本的に考えが違うので「軽蔑する」と言われてしまいます。

でも、早乙女先生がブレることはありません。

勝つことによって得られる経験を大事にしていることがわかります。もし負けたとしても最大限の努力をして勝ちに行っているのであれば、得られる経験がそれに比例して大きくなります。だからこそ、生徒たちを本気にさせているんだと思います。

悔しいはずの彩乃がすべての心得を書いたノートをひかりに渡します。ふつうだったら絶対に渡さないノート。でも早乙女先生のもとで育ち、チームとしてまとまっているからこそ、この描写がありえるな…、と説得力がありました。

そしてこれが実際の話なので、さらに説得力があります。

最後にひかりと早乙女先生がお互いをわかり合うシーンがあったので、すごく救われました。全米大会でひかりと早乙女先生が涙するシーンはもらいます。

24人のダンスシーンは圧巻とまでは言えないけど…

かなりダンスシーンにはかなり気を配って撮影をしているのがわかります。メインキャスト以外は、チアダンスをずっとやっていたであろう人たちが踊っているのでなかなか素敵です。

いくら特訓をしたといってもメインキャストはプロレベルではありません。やっぱり下手な人が混じるとそっちに視線がいってしまいます。ダンスシーンをずっと引きの映像にするわけにもいかないので、観客や実況解説の映像を間にどんどん挟みます。

1曲を完成させるのも大変だったと思うので、ダンスのシーンを小出しにすることなく、最後までとっておいたことも一番の答えだったんじゃないかなと思います。

映像マジック

特に広瀬すずさんが足を90°に上げたままくるくる回るアラセゴンターン。たぶん身体はほかの人で、顔だけ差し替えているのですが、よくできています!

服を脱ぎ捨て、早替えするシーンも本当の大会では絶対にありえないけど、僕は好きでした。

実際の福井商業高校の映像はこちらです。

比べちゃうとやっぱり「チア☆ダン」のダンスシーンは物足りないな、と思ってしまいます。

ダンスは技術ではない

実はこれが一番言いたいことです。

日本人ダンサーが立ちはだかる壁として表現力の壁というものがあります。

僕は今までたくさんの公演を見てきて、自分自身も舞台に立つ中で、好きになるダンサーの特徴があります。

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それは踊りに演技心があること。

これは教えられて成長するスキルではなく、自分自身で見つけ出すものです。そのため、センスという言われ方もすると思います。この「チア☆ダン」をみるとそれがすごくわかります。

誰の踊りがうまいか、下手か。それは映画を見ている人が決めて良いことです。

僕は最後の広瀬すずさんのCジャンプは素晴らしいと思います。

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関連作品

この映画を楽しんだ後にオススメする作品です。

ドラマ版「チアダン」

チアーズ!

こちらは規模も踊りもスゴイです。

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今回は映画「チア☆ダン:女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」の感想でした!

きたろうさんもいつも通りいい味出してます。笑