年末年始、HDDに溜まっている映画をみまくっています。この季節にぴったりな作品が箱根駅伝をテーマにした「風が強く吹いている」です。

小説から始まり、ラジオドラマ、舞台、映画、漫画、アニメにまでなっている作品です。今回は「風が強く吹いている」をご紹介します。ネタバレはあまりしないように注意しています。

※3分ほどで読み終わる記事です。

記事を書いているのは…
元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録あり。劇場が大好きで、ひとり映画も大好きです。最近は便利すぎてAmazon Primeで映像みまくっています。
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「風が強く吹いている」のあらすじ

寛政大学のある寮に住む9人。この寮に住む清瀬灰二(キヨセ ハイジ)の誘いで俊足の蔵原走(クラハラ カケル)がやってくる。ハイジには大きな夢がある。それは箱根駅伝に出場すること。

10人が住む寮は、実は陸上競技部の寮でハイジはずーっと箱根駅伝に出場する機会を伺っていた。ハイジは、この寮の食事や掃除、雑用すべてをひとりでこなし、今までみんなに貢献していた。その貢献に報いるために全員が立ち上がる。

もともとハイジは将来を期待される長距離選手だったが、怪我で諦めるしかなかった。でも夢を捨てることができず、リハビリを続け走れるまでに回復。それと並行して行っていたのが、駅伝出場者候補を集めること。

寮に住む皆それぞれ駅伝の素質があったが、カケルがやってきたことで現実味を帯びる。カケルも将来を期待される陸上選手だったが、ある事件をきっかけに陸上から距離を置くことになった。

この2人を中心に、個性あふれる10人で箱根駅伝の出場を目指す物語。

敗者の美

僕がはじめて「風が強く吹いている」を知ったのは、2019年の初め頃。深夜にちょっとテレビをつけてみたらとても静かなアニメが放送されていました。それがこの作品。箱根駅伝がテーマなのでランニングのシーンは疾走感あふれています。ですが、全体を通じての感想は、とても静かなのに心にずっしりと響く作品です。基本的にはコメディタッチなので笑えるシーンもたくさんです。

ちょっと見るつもりが気づいたら毎週見ていました。アニメは全23話。小説よりもストーリーがたっぷり語られています。

原作は三浦しをんさん。さん付けにすると読みづらいのでここからはさんを省きます。僕は三浦しをんが書いた「舟を編む」という作品が大好きで、この作品も映画化、アニメ化されています。辞書づくりがテーマでスピード感のある作品ではなく、じっくりと見る作品で、「風が強く吹いている」ととても共通するものを感じます。

僕は三浦しをんが「風が強く吹いている」を書いていると知らずにしばらくみていて、オープニングで名前を見つけた時、ドバーッと鳥肌が立ちました! なんで好きなのかわかった瞬間でした。

箱根駅伝というテーマだけでもそもそも泣けます。箱根駅伝は日本で陸上をしている人にとってはある意味最終地点です。陸上選手という仕事が確立されていない日本では、大学で一区切りを付ける選手が大半です。そんな彼らが最後に挑む箱根駅伝。

全力で挑む姿はかっこよく、敗者の美をこんなにも感じる競技はないと思います。優勝するチームよりも、負けたチームの方がこんなにも魅力的な競技ほかにないんじゃないかと思います。

箱根駅伝で思い出されるのは、途中でリタイアする選手や、たすきがつながらなかったシーン。その後の人生がどうなったのかついつい想像してしまいます。「風が強く吹いている」も同様、それぞれが箱根駅伝を通し一皮むけるストーリーになっています。

映画もアニメもオススメ

2009年に公開された映画版「風が強く吹いている」

監督・脚本:大森寿美男

出演:
小出恵介(清瀬灰二)
林遣都(蔵原走)
中村優一(王子)
川村陽介
橋本淳
森廉
内野謙太(キング)
ダンテ・カーヴァー
斉藤慶太
斉藤祥太

箱根駅伝のシーンは実際の映像をたぶん使っていて、場所も実際の場所のためとてもスケールの大きい作品です。ゴール地点の大手町もしっかり映っています。小出恵介、林遣都が話の軸になり、ストーリーがどんどん展開されていきます。

たった1年という短い期間、素人が混じっているチームが出場者ギリギリの10人で挑戦するストーリーはとても現実味がありません。この設定に批判的な人も多みたいですが、僕はこの危うい設定ですらすんなり受け入れてしまいました。

それぞれの人物がとても魅力的に描かれているので、納得してしまいます。人が持つ魅力に気づかせてくれる作品です。仕事のことを思い出しました。実力者が集まったからいい、というわけではなく、誰と一緒にやるかが実は大事だったり。結局、最後は「人」なんだな、と思う作品でした。

ハイジの圧倒的な魅力

ハイジはリーダーシップがあり、とても客観的な視点を持っています。映画版では、小出恵介さん、アニメ版では豊永利行さんが演じています。この2人がマジでいいです。

言葉遣いがすごく丁寧で品のいいしゃべり方をしています。普通、丁寧語や敬語を話すとよそよそしさがでます。でもなぜか、ハイジの場合、親近感が感じられます。

特徴的言葉として「きみ」という言葉をハイジはよく使います。この言い方に嫌味がまったくありません。これは俳優2人によるものも大きいと思いますが、ハイジの振る舞いはとても魅力的です。でもこれにはちゃんと理由があって、本人が大きな挫折を経験している、ということが関係しています。

【映画でのハイジの象徴的なシーン】

漫画が大好きな王子。走力が足りずみんなの足をひっぱってしまうんですが、この王子をカバーする姿が、ハイジのリーダーとしての威光を放っています。

なかなか記録が伸びない王子。箱根駅伝は10人の実力が必要なので、タイムが上がらない王子にイライラするカケル。カケルはきつい練習をするのが当たり前で、箱根駅伝に挑戦する厳しさもしっているからこそキツくあたります。

(ハイジ)「このところカケルは少し走りすぎだ。」

(カケル)「王子さん。今日はどれくらい走ったんですか?」
(王子)「うーん」
(カケル)「タイムも上がってないのに漫画読んでておもしろいですか?」
(王子)「うん」

(カケル)「俺はただ、なんでみんながのんきに酒盛りしていられるのか。その神経が理解できないだけだ。」
(キング)「ちょっと速く走れるからって偉そうに言うな!」
(カケル)「遅く走っても意味ないですから!!」

~わちゃわちゃ~

(カケル)「努力もしてないで苦労とか言うな!!」「もっと速く走れるように練習しろ!!」

~殴り合い、わっちゃわちゃ~

(王子)「どうして僕なんだ!!!!」「頼むよ。代わりを探してくれよ。」
(ハイジ)「王子、きみの代わりなんて青竹(寮の名前)にはいないよ。」

~いろいろあって~

(ハイジ)「本気で出たくなったなったみたいだな。カケル。本気になったのはいいことだ。でも今のきみじゃ無理だ。」
~わちゃわちゃ~
(ハイジ)「頭冷やせ、おい!」

(ハイジ)「そんなに速く箱根に行きたきゃなー、ロマンスカーに乗れ。誰よりも速く箱根に行けるぞ。」
「王子の努力をなぜ素直に認めない。」
「君は王子に言ったそうじゃないか。漫画と同じように走ることを好きになればいいんだって。」
「それを忘れちゃダメだ。その言葉こそ本当のきみだ。きみの走りを支えるものになるはずだ。速さだけじゃない。そんなものは虚しい。それで頑張った先に何があるか…、俺の足を見ればわかるだろう。」

「すまなかった。」

男気。

アニメ版はさらにオススメ

映画版もいいんですが、映画版の唯一の弱点はハイジとカケルにしかスポットライトが当たっていないこと。アニメ版は24話あり、ちゃんと10人のストーリーがしっかりと語られています。

どのスポーツでもそうですが、華形選手がいて、どうしても1人、2人にスポットライトが当たってしまいます。ですが、今回の10人はそもそも陸上を志しているわけではないので、それぞれに魅力的なストーリーが詰まっています。

アニメではこの10人のストーリーが語られているので、オススメです。

また、テーマソングもとてもいい。特に、向井太一さんの「道」。テーマにぴったりです。

走る表現がアニメ版はとてもおもしろく描かれています。映像マジックです!!

年末にアニメ一挙放送してました…

12月28日(土)
26:25 日テレ アニメ「風が強く吹いている」一挙放送(1)

12月29日(日)
26:20 日テレ アニメ「風が強く吹いている」一挙放送(2)

12月30日(月)
26:59 日テレ アニメ「風が強く吹いている」一挙放送(3)

箱根駅伝の時期もあって、ぜひチェックしてもらいたかったです…。

小説から、映画、舞台、漫画、ラジオドラマ、アニメにまで作られているとても魅力的な作品です。ぜひぜひチェックしてみてください。

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今回は「風が強く吹いている」の記事でした。
ありがとうございました。

 

たけだ