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ジャクリーヌ・デュ・プレを題材にした「ザ・チェリスト」をみた感想は?
主演の3人はどうだった?
何がおもしろい?

舞台を見終わったあとは誰かと一緒に感想を言い合いたくなってしまいます。そんな気持ちになっている方に向けた記事です。

悲劇の天才チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレの物語。ローレン・カスバートソンの熱演が光る舞台が期間限定でyoutubeに無料公開されていました。

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見逃した人もご安心ください。

BSプレミアムで放送されている「プレミアムシアター」で放送されます。しかもその後にジャクリーヌ・デュ・プレのドキュメンタリーも放送されるのでかなり濃い内容になると思います。

◇7月19日(日)午後11時20分~午前4時40分
英国ロイヤル・バレエ「ザ・チェリスト」(午前0:37:30~午前1:45:30)
ドキュメンタリー「ジャクリーヌ・デュ・プレとエルガーのチェロ協奏曲」(午前1:45:30~午前2:48:00)

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録あり。ぜひ男性にもバレエを観に行ってもらいたいと思っています。

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今回は、ローレン・カスバートソン、マルセリーノ・サンベ、マシュー・ボール主演「ザ・チェリスト」の感想です。

※3分ほどで読み終わる記事です。この記事はバレエ鑑賞初心者や「ザ・チェリスト」を観たことがある方のために書いています。どんな公演だったかわかるような内容になっています。

あらすじ、作品解説

チェリストの作品内容やあらすじはこちらの記事をどうぞ。

キャシー・マーストンの振付

振付はアクロバティックで、スリリングです。ライブ配信でリハーサル映像を流していた時、ローレン・カスバートソンとマシュー・ボールの頭と頭がぶつかってしまうということがありました。


(13:40~、ぶつかってしまいます)

女性と男性が一緒に踊るパ・ド・ドゥは、基本的に「男性が女性をいかに美しく見せるか」に重きがおかれます。ですが、この「ザ・チェリスト」では普段サポートされる側のローレン・カスバートソンが軸となってのリフトもあり、男性が美しく見えるようになっている部分があります。このような振付は、女性ならではかもしれません。

キャシー・マーストンは英国ロイヤル・バレエ団付属のロイヤル・バレエ学校の卒業生です。その彼女が古巣ふるすに戻って振付をしました。最近、ロイヤル・バレエ団は女性振付家を起用するようになっています。「フライト・パターン」を振り付けたクリスタル・パイトも素晴らしかったです。僕は女性振付家の作品ももっと見たいと思っています。

キャシー・マーストンの振付は、空間をただよう水を見ているかのようです。振付はなめらかで、音に合わせて流れるように進行していきます。激しい振り付けと、優しい振付。緩急かんきゅうある素晴らしい才能をみることができます。

音楽

エルガーのチェロ協奏曲はもちろん、病気になったあとのザラツイたチェロの音色、ジャクリーヌ・デュ・プレのテーマとなるピアノの音。音楽の美しさが心に残ります。

キャシー・マーストンの音へのこだわりは、リハーサルの動画をみてもわかります。この音楽への理解というか、愛情が「ザ・チェリスト」という作品からビシバシ伝わってきます。

この作品で使用されている音楽は、エルガー、ベートーベン、メンデルスゾーン、ラフマニノフ、シューベルトの楽曲を細かく区切ってつなげています。ですが、とても自然につながっています。ときどき、聞いたことのあるフレーズが入ってくるとゾクッとします。

編曲を担当したフィリップ・フィーニーの才能が光っています。

ダンサーの魂のこもった熱演

この公演ですごく感じたのは、キャシー・マーストンがダンサーをすごく大切にしているということ。主演の3人はもちろん、脇を固めるダンサーたちも役にはまっていて、どんなに小さな役でも舞台にいる意味がある、というのがすごく伝わってきました。

ローレン・カスバートソン

「ザ・チェリスト」はローレン・カスバートソンの評価をグーンと上げる作品だと思います。アクロバティックなリフトを軽々とこなすだけでなく、演劇的な側面がとくに評価されています。

振付のことなんてまったく考えていないくらい、役に入り込んでいて、ローレン・カスバートソンにどんどん引き込まれてしまいます。ケガしてもいいというくらい、思いっきり飛び込んでいくのでビックリしました。

ジャクリーヌ・デュ・プレは大柄で、笑顔にあふれていた人物で、天然ボケな部分もあり、ユーモアのセンスもあったと言われています。

ローレン・カスバートソンはロイヤルバレエ団の中では大柄です。そのほかにもいろいろな点でローレン・カスバートソンがジャクリーヌ・デュ・プレに合っている、と考えられ主演することになりました。

作品中、ローレン・カスバートソンの目の動きが素晴らしいので、映像ではっきり見られるのが嬉しいです。バレンボイムを見つめる視線がなんとも色気があり、チェロを引く際の目の表情は「天才の目」という印象を受けました。

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とても悲しい終わり方なはずなのに、見終わった後なぜか心が温まりました。最後のカーテンコールのたたずまいまで僕は大好きでした。

マルセリーノ・サンベ

今回のキーとなるのがチェロです。このチェロをプリンシパルのマルセリーノ・サンベが演じています。

マルセリーノ・サンベの身体は、以前観たときよりも一回り大きくなっていて、どっしりしています。身体はしっかりしていますが、柔らかさがあります。

チェロの波長を視覚化すると、こんなにも柔らかい動きをしているのか、と感動してしまいました。

マシュー・ボール

マシュー・ボールはジャクリーヌ・デュ・プレの夫であるバレンボイムを演じています。バレンボイムは実際の人物で、ジャクリーヌ・デュ・プレと結婚しながらもパリにも奥様と子供がいました。この話だけ聞くと、なかなか破天荒な人物です。

今回の作品ではこのスキャンダラスな事実は出てきません。

マシュー・ボールはハンサムですが、かげがあります。この陰が、どことなくバレンボイムを複雑な人物であると感じさせ、かなり魅力的な人物にしていると思います。

マシュー・ボールが最初に登場するのはコンサートのシーンです。楽器を演じるダンサーを指揮していたのですが、カリスマ性があり、舞台を支配していました。

ダンサー

ダンサーはときにオーケストラになったり、学校の友人になったり、観客にもなり、タンスにもなります。

セットがとてもシンプルなので、ダンサーの身体表現しんたいひょうげんでいろいろなものを具現化ぐげんかしていきます。ダンサーが家具を演じることもあるのですが、どの家具を演じているのかまでハッキリわかります。

今回、キャシー・マーストンは群舞のことを「A Chorus of Narrators(語り手たち)」と表現しています。脇役のダンサーにも、舞台に欠かせない役割をもたせていて、とても現代的な感性を持っていると思いました。

とくに素晴らしいのが、オーケストラのシーンです。本当に楽器の波長が目の前で展開しているようで見ていてワクワクします。キャシー・マーストンの発想にブラボーです。

また、いつもおとぎ話の王様やお妃を演じるキャラクターダンサーが、がっつり踊っているのも嬉しいです。クリステン・マクナリーがトウシューズをはいているのを初めてみました。歳を重ねたからこその重みがある踊り。もちろんテクニックも維持されています。

公演動画

英国ロイヤルバレエ団が新型コロナウイルスの劇場閉鎖に合わせ、youtubeで公演のフルバージョンの動画を公開しています。音声解説バージョンもありました。

(公開は終了してしまいました…)

ネットでダンス三昧

とはいえ、いきなり生で観に行くのは難しいという場合は、ネットで予習しましょう。豊富なコンテンツ量をもつ「U-NEXT」と「Amazon Prime」を駆使するとダンス作品、もちろんバレエ作品もあります。

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たった55分の作品で人生を語り切るキャシー・マーストン。インタビューをみても好感が持てます。大好きになりました。

kazu

今回は「ザ・チェリスト」のあらすじと感想、公演動画の紹介でした。
ありがとうございました。